亀八の作品が数多く残される名張
名張には、幕末から明治にかけて活躍した生人形師、安本亀八(初代/1826~1900年)の作品が数多く残されています。
熊本出身の亀八は、浅草や大阪の見世物興行などで活躍。同時期に活躍の松本喜三郎とならぶ人形芸術の草わけとされます。少し控えめな表情で品があり、人間らしさが表現されているのが特徴とされていて、肖像彫刻のほかにも、肖像や仏像、能面、絵画など、幅広い分野を手掛けた才能の持ち主ですが、作品の多くは関東大震災や戦災で失われています。
亀八が名張を訪れたのは、幕末の1860年ごろ。商家などに身を寄せながら数年滞在し、肖像彫刻や絵画など、数々の作品を残しました。
全国に20体あまり現存する亀八作の肖像彫刻のうち、なんと半数近くが名張で発見されていて、いずれも幕末の名張に実在した人物がモデルです。令和6年11月には、そのうち6体を市の文化財に指定。後世にその魅力を伝えていきます。
安本亀八作、幕末名張のリアル
夫婦像と夫婦の絆は、いつまでも大切に
伊賀まちかど博物館 はなびし庵 角田 勝・久子 夫妻
伊賀まちかど博物館「はなびし庵」で、ご先祖様でもある夫婦の肖像彫刻を展示。夫婦像にまつわる影絵も上映し、観光客に楽しんでいただいています。
名張は、亀八さんが活躍した頃のまちなみと作品が数多く残るほかに無いまち。肖像彫刻のモデルの子孫はご近所にほかにもいますしね。これからも、夫婦像を大切に残していって、多くの人に親しんでいただければと思います。