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面白い活動をしていると、周りが面白い人でいっぱいに

高山太一さん(蔵持獅子神楽保存会)


 平成3年に蔵持獅子神楽保存会が発足し、「子ども天狗」がスタート。私はその1期生なんです。思い返せば、地域の皆さんに声をかけてもらいながら育ってきたんだなと感じます。そして、長女も、昨年秋から「子ども天狗」に。なんと女の子初!娘が楽しむ姿を見ていると、多世代が集える場って貴重だと思えますし、何より地域の皆さんが喜ぶ顔が見たいので、獅子舞を続けていきたいですね。

高山さんが所属する蔵持獅子神楽保存会の獅子舞。小学生が天狗役を担っている
女子で初めて天狗を舞った高山さんの娘さんと

市民センター祭の企画を任されて頭に浮かんだのが、市内の獅子舞が集った「なばり獅子フェス」。消防団などでつながりのあった2団体に声をかけると、「喜んで!」と二つ返事。おかげで、普段秋祭りに足を運ばない人たちにも、「獅子舞ってすごい」って思ってもらえましたし、自分たちもワクワクできました。

市内には獅子神楽の団体が30近くありますが、平成30年9月、市内で獅子神楽を担う有志の皆さんによって開催された「なばり獅子フェス2018」。
14団体が舞を披露し、団体同士の交流も深まった。また、各地域に伝わる獅子神楽が、名張を元気にする地域資源として改めて見直されるきっかけとなった
令和6年12月に蔵持市民センター祭の一環として、蔵持小運動場で開催された「獅子神楽フェス」。「なばり獅子フェス2018」以来続いてきた交流がもとで、普段はそれぞれの地域で活動する3つの団体が集った
蔵持獅子神楽保存会の獅子は、高山さんがまわした
八幡若連中による獅子神楽。祭りラストの舞上げと呼ばれる舞は獅子頭を天高く持ち上げ大回転
機敏な動きで見るものを魅了する雌雄の二頭舞を見せる短野獅子神楽保存会

 獅子舞に、消防団、市民センター祭…。いずれも「自分から」ではなく、人に誘われて活動を始めたんですよね。頼りにされると嬉しいし、「面白そうなことはやってみたい」って。自分が面白いと思える活動を続けているうちに、なんだか周りに面白い人が増えてきた。12月に初開催した「ばりばりなばりフェス」もその一つ。みんなと関わっているうちに、地域愛があふれてきた気がします。

 いま、地域づくりの活動は60~70代が中心ですが、若い人が加わるともっと面白くなりそう。今度は「誘う側」として、地域の人たちをつなぐ役割を担っていきたいですね。

消防団活動も積極的に関わっていて、小学校では児童が楽しめる防災訓練を企画するなどしている
仲間と始めた「ばりばりなばりフェス」。
全員消防団員でもあり、さまざまな地域活動に関わっている地域愛あふれるメンバーたちだ
キッチンカーなどの飲食や雑貨、特産品の販売、ワークショップのほか、同時開催の地場産野菜などを扱う「なばりナチュラルマルシェ」も含め、38店舗が集合。2000人が来場した。
「名張が大好きなら隠れてなんかいられない」が合言葉


地域のイベントにも参加(写真左が高山さん)。リタイヤ世代がメンバーの中心だが、高山さんは「太一君」と、みんなから親しまれている
蔵持市民センターのボランティアとしても活躍する高山さん。
ここでも、地域のさまざまな人との出会いが生まれている

PROFILE

たかやま・たいち ● 三児の父。自営業(建築)。獅子神楽保存会や消防団、市民センター祭のボランティアなど地域密着で活動。そこでの縁がきっかけで、八幡・短野・蔵持の3地域の「獅子神楽フェス」や「ばりばりなばりフェス」の企画運営に携わる。