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まちの若きチャレンジャー

「名張学園祭」実行委員長
杉田 香乃さん

 名張がさびれていくのはすごく寂しい。だから、若い人には、もっと地元に目を向けてもらいたい。「まちづくり」って何だろうって考えたとき、それは、「住んでいる人がまちを知ること」だと思うんです。名張に愛着が生まれたときに、「ここに住み続けたい」と思えるようになるんじゃないかな。私自身、名張のいいところを知ると、もっとみんなに知ってもらいたいな、ずっとここにいたいな、と思います。

 小さいころから、活動的だったわけじゃありません。名張高校でいろんな体験ができたのが大きかったかな。県議会で伊賀の課題をまとめて発表したり、鳥羽でいろんな高校の生徒と一緒にフィールドワークをしたり。行く前はすごく不安。それが、やってみるとなかなか楽しい。このころからですね。どうしようかと悩んだときは、とにかくやってみる。名張高校の先生に「チャンスは逃すな」。そう言われたのが忘れられません。だから、「名張学園祭」をやってみないかと、名張地区まちづくり協議会の皆さんから声がかかったときも、「何でもやってみよう」という気持ちが後押ししました。「若者主体でやってほしい」。それがはじめに課せられたミッションでした。

 友人二人を誘うところからのスタート。高校に実行委員募集のポスターを貼ってもらうなどして、メンバーが増えていき、大学・短大生4人と、高校生7人が集まりました。3月以降隔週で打合せ。前例がなく手探りでしたが、ステージの出演や出店の要請、ポスター作りなどの準備を進めていきました。成り行き上、私が実行委員長になり、準備から楽しむことを目標に。「名張学園祭」の横断幕を作るころには、すごくいい雰囲気になっていました。

記念すべき第1回目の「名張学園祭」

 終わってみると、1,000人近い来場者。想像以上の結果でした。「高校生の姿がかっこよかった」という小・中学生や、「コロナ禍の中、発表の場があってよかった」という高校生も。

コロナ禍の中、なかなか発表の場が無かった分、発表する側も観る側も楽しい舞台に
高校生たちは、いきいきとした表情を見せてくれた

それに、実行委員の高校生は、来年も携わりたいと言ってくれるし、「就職活動もあるし、次はちょっとな…」という雰囲気を醸し出していた友人も「今度はもっとよくしよう」って!すごくうれしかった。「名張学園祭」は、学校という垣根を越えて名張の若者がつながれる貴重な場。催しの継続に力を尽くしたい。あと、海外に行ったり、空き家の活用プロジェクトに参加したりと、チャンスがあればいろんなことにチャレンジしたい。これからのことを考えるだけで、わくわくしてきます。

保育所からの同級生も一緒になって「名張学園祭」を作り上げていった

「広報なばり」2021年1月号掲載(2021年1月時点の情報です)


Profile

桔梗が丘西在住。奈良県立大学1年生(当時)。「名張学園祭」の実行委員長。「名張学園祭」は、若者のパワーとアイデアをまちおこしにつなげようと、名張地区まちづくり協議会が主催した初めてとなる催し。第1回目は2020年11月22日にadsホールで開催され、高校生や大学生が、企画・運営を担い、また、ダンスやバンド、吹奏楽など多彩な催しに出演した。