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名張にいるのが嫌だったのに、いまでは居心地がいいんです

杉森 治代 さん  名張市消防団本団女性部 部長


 父親が消防団で活動していましたし、学生時代の阪神淡路大震災の被災経験から「防災」はいつも身近にありました。

 消防団には、さまざまな地域の人・年代が集まっているので、普段の生活の中では出会えない人とつながれることが魅力。女性部では、防災訓練や救命講習、「アンシンダーL」による啓発活動などをみんなで分担しながら、仕事や育児と両立できるように取り組んでいます。

20代から60代までの20人が女性部に所属。 「いい雰囲気の中、活動できている」と杉森さん
子どもたちに人気のアンシンダーLも活動の一環だ
文化財防火デーにおける訓練で真剣な表情を見せる

 今の仕事を始めて忙しくなる前は、地域で生活支援を行う「隠おたがいさん」の活動にも加わっていました。近所の人からは、よくパソコンの使い方を聞かれたり、資料作りを頼まれたりすることもあります。

 「引き受けすぎかな」と思うこともありますが、喜ばれるとうれしくて。親世代は助け合いながらうまいことやってるなと感じますが、「持ちつ持たれつ」なんでしょうね。

 私たちの世代になれば、支える人が少なくなってくるかもしれませんが、誰かがしないといけないんだろうなと。それに、そんなに構えなくても自然体で助け合えるといいですよね。

女性消防団員が集う全国大会。全国各地 の仲間と10年以上親交が続いている

 若いころは、名張が閉塞的に感じて、地元にいるのが嫌でした。だけど、消防団や「隠おたがいさん」の活動を通してまちに関わり出してから、地元の世界が広がって知り合いも増えて、だんだん居心地がよくなってきたように思えます。

 この先も愛着のある地元で元気に過ごすことが、ささやかな夢です。

「広報なばり」2024年6月号掲載(2024年5月時点の情報です)


Profile

すぎもり・はるよ
名張地域で生まれ育つ。父親が消防団に所属していたこともあり、2005年に消防団本団女性部の発足と同時に入団する。2015年、女性部 部長に就任。仕事と消防団の活動のかたわら、趣味のなぎなたでリフレッシュすることも。