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想いと縁をつなぐ場所 FLAT BASE(元町)

名張のまちなかに、「ふらっと」人が集える居場所 

名張のまちなかにある、空き家を再生したテレワーク施設「FLAT BASE(フラットベース)」。「“ふらっと”人が集まって、想いと縁がつながる場所。アットホームさが自慢です」と、管理者の北森仁美さん。

管理者の北森さん(右)と共同でFLATBASEを整備した野山さん(左)

 イベントや教室、打合せなど、用途を限定しない貸しスペースとしても活用され、2022年3月のオープン以来、さまざまな人の出会いを生んでいます。

町家の雰囲気を残す落ち着く空間だ

 夏のある日、兵庫県在住の新婚夫婦がやってきました。曽爾高原で結婚記念の撮影をするための‶着替えスペース”として使用するというのです。「事前に相談があり、想定外の利用で驚きましたが、できる限りのことはしたい」。そう考えた北森さんは、布を縫い合わせて着替えスペースを作ったり、近所の床屋から大きな鏡を借りてきたり…。

北森さん:とても喜んでくれて、今度ゆっくりと名張を訪れたいと言ってくれました。少しずつですが、こうした縁を積み重ねていきたいですよね。

ホームページをみてFLATBASEを訪れた新婚夫婦。想定外の利用で驚いたが…

実は、この施設は以前、北森さんの義母が住んでいて、「この家が賑やかになっていくこともうれしい」とニコリ。「ここを拠点に、いろんな人がつながって、わいわい楽しく暮らせる居心地のいいまちにしていきたいです」

FLATBASEでは様々なイベントも開催されている(写真はJAZZコンサート)

人口が減っていく中、地域の内外に多様なつながりを

「生まれ育った名張で子育てをしたいと思い、Uターン。でも、まちに人がいない。空き家が増えている。建築士としての経験を生かしながら、子どものころのような賑やかなまちを取り戻したいと思いました」

そう話すのは、空き家を活用したまちづくりを進める一般社団法人「つなぐ」代表理事の野山直人さん。法人名には「まちと建物、人を未来へつなぎたい」という思いが込められています。

空き家を地域に開かれた場にしたいと考えていた北森さんと出会い、共同で「フラットベース」を整備しました。

築100年を超える元町の空き家を改装し、テレワーク施設兼貸しスペースとして活用されている。  都市部からの人の流れを作ることなどを目的に、市の事業の一環として整備された。

野山さん:人口が減っていく分、人と人がもっとつながっていく必要があるのでは。誰かに出会って、新しいことが始まる。そんなことがこの場所で起こりつつあります。

空き家だった施設がまちの賑わい創出に向けて、新たな道を歩み出しています。

近大高専の田中先生による町家調査結果を聞く会。地域の皆さんもたくさん来てくださって、古いまちの価値を再認識。新たな町家を調査する話も進み出しました。

「広報なばり」2022年10月号に掲載


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