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夢の数珠つなぎ

名張へ移住し、スパイスカレー店をオープン
杉本 美和子さん

 いつか古民家で飲食店をするんだという夢をかなえるために、名張市赤目地域へ移住。地元の人とうまくやっていけるだろうかと心配していましたが、そんな不安は、すぐに吹き飛びました。

大阪にも近い名張で古民家物件をみつけた

 古民家の改装作業をしていると、通りがかりに声をかけてくれる人や、わざわざ見に来てくれたり、親切に自分で作った野菜を持ってきてくれた人もいました。中には、木が生い茂っていて困っていたら、「切ったろか?」という人も。「家の完成までまだまだやなぁ」「工事、手伝っていきませんか?」積極的に近所の人と関わっていきたいと思っていたので、そういう会話もすごく楽しかったですね。なんだか、近所の皆さんと一緒に家を改装していった感じです。 

立派な梁のある古民家。自分たちで手を入れていった

 カレー店の開業に向けて、地元で採れた野菜を購入できるところを探していると、家の裏の人が農家で、「ええとこ紹介したるわ」と、ご近所にいるたくさんの生産者と結び付けてもらいました。野菜を購入するだけの関係ではなくて、プライベートでもご飯を食べに行ったり、車が壊れたときに助けてもらったりしてるうちに、絆が生まれてきたなと感じました。

 お店がオープンしたとき、近所の人たちがたくさん来てくれてすごく嬉しかったです。今もその光景が目に焼き付いています。本当に近所の人が温かくて、赤目に移住してきて間違いなかったですね。

 私はおしゃべりが大好き。だから、すぐにお客さんにも話しかけちゃって。考案しているメニューの相談をすることもあるんですよ。人が興味を持っていることや一生懸命取り組んでいることに興味津々。自分が知らないことや経験したことがないことも自分の糧にしたいから、積極的に話しかけないと「もったいないな」って思ってしまうんですよね。

杉本さん家族とお客さん。店内は笑いが絶えない

 今は、古民家の一室を使って、絵画の個展や、ヨガや子育てに関する教室ができたらいいなって考えています。絵を描いている人、ヨガの先生、抱っこやおんぶのやり方の先生、絵本の読み聞かせなどの講師として招こうと考えているのは、実は、みんなお店のお客さんで、おしゃべりから生まれてきたアイデアばかり。お客さんと出会うたびに、やりたいことが増えてきて、どんどん夢が膨らんじゃう。いつかこのお店が、地元の人が集まり、人と人とがつながって、みんなの夢がつながっていく、そんな場所にもなっていけば嬉しいな!


PROFILE

家族4人で、令和2年12月に枚方市から赤目町柏原の古民家へ移住。市の「若者移住定住チャレンジ支援事業」(空き家や空き店舗を活用した創業に補助)に採択され、昨年2月、自宅に併設したスパイスカレー店をオープンした。

地元の食材を盛り込んだカレーと店主の人柄が人気を呼んでいる

「広報なばり」2022年1月号掲載


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